そういえば
電話の声を聴いたのは初めてで
なんか耳がいつまでもくすぐったいような……
(竹本裕太)
(ハチミツとクローバー第1巻chapter6)
ー大学2年19才
秋、同窓会のお誘い
♠︎「はい中村です……あれっ、H野さん♦︎? こんばんはー」
同窓会のお誘い。飯田高校の1A。2回目。冬。金沢にて。
♠︎「んー……参加でお願い」
数日後、また電話。
♠︎「はい中村です」
❤︎ 「……あの高校でクラスメートだったHですけど」
♠︎( !!!○※△…………)「こんばんはっ」(何でっ!?)
❤︎「中村くん、同窓会に行くって聞いたけど、どうやって行くの?」
♠︎「えっと、金沢行きのバスは満席だったから……富山行きを予約、そこからは電車で行くんだけど……」
❤︎「そっかぁ……じゃあおやすみなさい」
♠︎「おやすみなさい……」
(……びっくりして……焦って……ドキドキして……何だったのかわからなくて……)
冬、同窓会当日
金沢駅に到着。改札を出ると……Dさん♦︎が出待ち。
♦︎♠︎「こんばんは、お久しぶりです」
♦︎「場所わかる? そこを真っ直ぐ……」
(部活の県大会の時に泊まったことあります)
《何人ぐらいいたっけ……思い出せない……まぁずっと駅にいたから……何やってたんだか……》
始まってしばらくして……幹事のH野さん♦︎に聞いてみた。
♠︎「……Hさん❤︎って……」
♦︎「あーもうすぐ来るんじゃない? あれ? 中村くんと一緒に来るとか言ってなかったっけ?」
♠︎「!? 電話はあったけど……えー聞いてない聞いてない」
僕はこっそり部屋を抜け出し、駅に行ってみた。
……電車が到着……来ない………最終電車……来ない……戻ろ。
戻ったところをH野さん♦︎見つかる。
♦︎「よし電話しよ……もしもし……はいっ」
♠︎(えっ!? 僕!? 心の準備が)「こんばんは……あのー……今日って……来れなかったんですか?」
❤︎「うん、中村くん、車とかで行くんなら、一緒に行こうかと思ってたんだけど……」
《もし言ってくれてたら頑張ったのに……》
♠︎「そっかぁ……あっ小銭もう無い……貸して」
《硬貨使用の固定電話。昭和だぁ》
《僕は少し酔っていて……いや酔いはさめてたけど頭が痛くて……というよりドキドキして、何話したか覚えてない……でも遠距離だったからそんなに長く話してない?……会いたかったとか言ってたよーな……》
❤︎♠︎「……おやすみなさい」
♦︎「……後で電話番号教えあげるから」
♠︎「……ありがと……おやすみ」
《H野さん♦︎に僕の片想いがバレた……》
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