ああ そうか
静かで のほほんとして
でも こうちょっと ソワソワして
そうなんだよな 春なんだよな
人が恋に落ちる瞬間を
はじめてみてしまった まいったな
オレまでドキドキしてしまった
(真山巧)
(ハチミツとクローバー第1巻chapter1)
ー高校1年15歳
のどかな田舎の海辺の町。
地元の高校に合格して
といっても中学の隣りで
半分は見知った顔で
半分は新しい顔で
入学式で新入生代表で挨拶をして
挨拶の順番間違えて
A組に入って
陸上部に入って……
「ミーティングするから集まって」昼休みに突然、陸上部の招集。
1年A組は僕♠︎とHさん❤︎。
♠︎「Hさん❤︎。なんかミーティングあるって。一緒に行こ」
集合場所の教室に入ると……
♠︎(あれ? 誰もいない? えーと……)
❤︎(?)
♠︎「……ミーティング終わった?」
……Hさん❤︎?
……ゆっくり近づいてきて?
……ニコっ?
……僕♠︎は……彼女❤︎に恋をした……
《この時のことは鮮明に覚えてて……なんだか時間の流れがゆっくりになって……うーんうまく言えない……でも……『ハチクロ』の竹本くんのはぐちゃんとの出会いのシーンと重なって……あの感覚は後にも先にもこの時だけ》
《それにしても……なんだか僕が告白するにために彼女を呼び出したような状況……うわー……実際好きになったんだけど……》
《……彼女はどう思ったのかな?……そう言えば聞いてない……聞けば良かったなー……覚えてないか》
《……長い長い片想いの始まり……》
でも本当に『静かで のほほんとして
でも こうちょっと ソワソワして
そうなんだよな 春なんだよな』
教室の窓から見えたのは
澄みわたった空と、遠くに海。
水面がキラキラ輝いていた穏やかな春の日。
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